サティ/ピアノ作品集
(Erik Satie : Works for Piano)

Satie エリック・サティは海運業と楽譜出版を営む父親とスコットランド人の母親との間に生まれ、6歳で母親と死別、6年間祖父母の許で暮らし、12歳で再婚した父親に引き取られるという、かなり波乱のある幼少年期を過ごしております。
義母にピアノを習い、13歳でパリ音楽院に入学しておりますから、音楽的才能は相当に高かったものと思われます。
しかしながら、音楽院での授業には退屈しか感じられず、21歳で退学。その後は酒場のピアニストとして生計を立てながら、当時の感覚からすれば非常識といえる作品を作り続けました。

ピアノのための作品は、サティにとってはもっとも重要なジャンルと申せましょう。
1885年頃からピアノ曲の作曲を始め、1887年以降は「3つのサラバンド」「4つのオジーヴ」「3つのジムノペディ」「グノシェンヌ」など、個性的な作品を続々と発表して大方の顰蹙を買いながらも、ドビュッシーやラヴェルのような理解者も現れました。
20世紀に入って、第1次世界大戦の頃からは「フランス6人組」を中心とする若い芸術家グループの旗頭的存在となり、バレエやオーケストラ作品など規模の大きな作品を手がけるようになりますが、ピアノ曲は晩年の1920年頃まで作り続けました。

サティは後期ロマン派の時代に現れながら、同時代の音楽には興味をもたず、中世のグレゴリオ聖歌への憧憬から旋法的なメロディライン、機能和声法を無視した自由なハーモニー、ドビュッシーに代表される高踏的・詩的な音楽を皮肉るような奇矯な曲名や簡素な作風で、この時代の人としては驚くべきユニークな作曲家でございます。
「家具の音楽」に見られるように、自身の音楽を今日的にいえばBGMのようなものと捉えていたサティ。

ここでは、この芸術的奇人のピアノ作品のいくつかをで取り上げてみることにいたしました。
お楽しみいただければ幸甚でございます。


3つのサラバンド(Trois Sarabandes) 

3つのジムノペディ(Trois Gymnopedies) 

グノシェンヌ(Gnossiennes) 

ぶよぶよした前奏曲 ― 犬のための(Préludes flasques - pour un chien) 

本当のぶよぶよした前奏曲 ― 犬のための 
 (Véritables préludes flasques - pour un chien)

いやな気取り屋の3つの高雅なワルツ 
 (Les trois valses distinguées du précieux dégoûté)

官僚的なソナチネ(Sonatine Bureaucratique)  曲について

5つの夜想曲(Cinq Nocturnes) 

最初のメヌエット(Premier Menuet)  曲について

◇「あそびのエトセトラ」に戻ります◇
◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma