3つのサラバンド
(Erik Satie : Trois Sarabandes)
「3つのサラバンド」はサティ初期のピアノ曲のひとつでございます。曲名は無難なものですが、1887年という作曲時期を考えますと、その音づくりは相当にブッ飛んだもので、保守的な音楽家の眉を顰めさせ、若い作曲家の一部にはブラボーを叫ばせる作品だったと申せましょう。

「サラバンド」は16世紀にスペインで成立した舞曲で、17世紀以降のバロック時代には組曲の楽章などとしてポピュラーなジャンルとなりました。フランスでは荘重で緩やかなテンポの舞曲とされております。

題名通り3曲からなるサティのサラバンドは、いずれも緩やかなテンポという点では伝統を守っておりますが、旋律的・和声的にはきわめて斬新なものであり、同時期のドビュッシーをはるかに超えております。後にこの曲を聴いたラヴェルは大きな賞賛を寄せ、出版に際して、サティは第2番をラヴェルに献呈しております。

(2021.4.21〜4.24/Jun-T)

3つのサラバンド・全曲連続再生 

サラバンド 第1番(Sarabande I) 
サラバンド 第2番(Sarabande II) 
サラバンド 第3番(Sarabande III) 

◇「サティ/ピアノ作品集」に戻ります◇
◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma