サティ/ぶよぶよした前奏曲 ― 犬のための (Erik Satie : Préludes flasques - pour un chien) |
1910年前後のフランス音楽界では、ドビュッシー、ラヴェルらの高踏的・詩的な作品、スクリャービンの超ロマン的・神秘的な作品、ストラヴィンスキー初期の近代化されたロシア国民楽派的作品など、目も眩むような華々しい音楽シーンが展開されておりました。 こうした状況の中で、そのような音楽界の動向から孤立していたのがサティの音楽でございます。 |
奇妙な曲名、簡潔な曲想、当時としては非常識な記譜法など、楽壇では変人扱いされていたサティは、「わが道を行く」スタイルで創作を続けておりました。それでも、楽壇の主流を占めるのがドビュッシーに代表される高踏派的芸術家たちばかりであることには、どうにも納得できないものがあったようです。
1912年、サティはピアノのための「ぶよぶよした前奏曲」という作品集を、楽譜出版の大手デュラン社に持ち込みます。
さて、サティの申し出は拒否され、デュラン社は「ぶよぶよした前奏曲」を出版しませんでした。サティはこれに抗議し、より過激な記譜法によるピアノのための「本当のぶよぶよした前奏曲」を作曲、これを出版社デメッツに持ち込みました。そして、こちらの方はなぜか直ちに出版されております。
「ぶよぶよした前奏曲」は4つの小品から成っております。 (2021.5.14〜5.17/Jun-T) | |
ぶよぶよした前奏曲 ― 犬のための・全曲連続再生 | |
第1曲:内奥の声(I. Voix d' Intérieur) | |
第2曲:犬儒派的牧歌(II. Idylle cynique) | |
第3曲:犬の唄(III. Chanson canine) | |
第4曲:ぐるになって(IV. Avec camaraderie) | |
◇「サティ/ピアノ作品集」に戻ります◇ | |
◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma |