最適システム検討

メーカー絞り込み

現地調査に基づいた各業者の提案プランから、設置可能な太陽光パネル量、施工の問題点、難易度が見えてきます。
まず、パネルメーカによる差に注目して、絞り込むことができれば作業は簡単です。
設置可能な容量と自家消費を考慮した売電割合をだし、年間で節約できる金額を算出しましょう。
各業者が提示するシミュレーションを参考にして、年間で節約できる金額の精度を上げましょう。
システム価格を年間で節約できる金額で割ると元を取れる年数になるので、これで大雑把に優劣をつけます。
はっきりとした優劣がつかない場合は、パネルメーカ毎にさらに検討していくことになります。
本当に差が無いのであれば、ご自分の好みでメーカーを絞れば良いと思います。
下の図が太陽光発電システムの主要要素に関する因果関係図です。単純なイメージですけれど、各要素をイメージすることも必要かと思います。

最適システム検討

各業者からの提案のうち最良と思われる提案を良く検討します。
太陽光パネルのレイアウトを工夫することで、パネルを増量できるかも知れません。通常は屋根の端部ぎりぎりまでパネルを設置することはできません。ある程度のスペースが必要です。強度的な問題があるからです。これに注意して最大限広めに設置しましょう。
一般的な施工方法ではこの余裕のスペースを大きく取らざるを得ないことがあります。これも工事の工夫により克服できる場合もあります。各業者の知恵を集めましょう。
複数の屋根面に太陽光パネルを搭載する場合にはパネル同志の接続方法も多岐にわたってきます。
通常太陽光パネルは複数枚を直列に接続し、それらを並列接続し電流を合流させます。直列接続数が多いと接続数に比例して電圧があがってきます。パワコン等の変換効率はあがりますが、パワコンの入力電圧の限界があります。同様に電流の最大容量もあり、直列数が小さいと電流が増えますので直列数が小さすぎても問題があります。
また、パネル枚数が直列接続数のちょうど倍数の場合はすべての直列グループの接続数を等しくでき、電圧も等しいのでのでそのまま並列接続できます。 この場合は昇圧器は不要で、その分のコストはかかりません。
パネル枚数を稼いでいくと直列接続数の倍数にならない場合もあります。そういう場合は、多勢の直列接続数のグループの電圧まで少数の接続グループを昇圧するため、昇圧器が必要となります。昇圧器はそう高価ではないものの、定格容量の増加分とコスト増を勘案して採用可否を決める必要があります。
本プロジェクトの場合は外観上のバランスも考慮して昇圧器を採用することにしました。

屋根の方角は発電効率に直接的に効きます。南傾斜が最高効率で東・西は多少落ちます。北面は不適と言われているので恐らく載せることは無いと思います。
また、太陽光パネルの定格発電量はかなり条件の良い日照を前提にしており、通常は定格発電量まで発電することはないようです。
当たり前ですが、発電量は朝から日差しが強くなるにつれ増加し、日中お昼近くが最大で、その後減少していきます。また、温度が高いと太陽光パネルの効率は低下するので、日中あるいは夏季等、気温が高いと効率が下がります。
 これらのことを考慮すると例えば、6kWの定格容量のシステムであっても5kWを越える発電を行う時間は極々わずかということになります。つまりパワコンの最大容量を越える定格容量のパネルを搭載しても、ほとんどの時間はパワコンの容量内での運用が可能です。
本プロジェクトでは5.5kW容量のパワコンに対し太陽光パネルの総発電容量は6.4kWとしました。
これらの真偽も検証を進めるうちに明らかになっていくと思います。