「神々の黄昏」あらすじ(4)

グンター主催で、婚礼を祝う盛大な狩が催され、ジークフリートも参加しております。

獲物を追って家臣たちとはぐれたジークフリートが、ひとりライン河のほとりにやってまいりますと、3人のラインの乙女たちが現れて指環を返してくれるように懇願いたします。
渋っておりますと、乙女たちが「ケチ!」と罵るので、そこまでいうならくれてやる、と思ったジークフリートですが、乙女たちの「いまのうちに指環を返さないと、恐ろしい死の運命があなたを襲う」という忠告にまた気が変わり、結局返さないことにしてしまいます。なんとも天邪鬼と申しますか、扱いにくい男でございます^^;

さて、ハーゲンの角笛が聞こえ、ジークフリートも角笛で応えますと、はぐれていたグンター、ハーゲンと家臣たちが現れます。
ひと休みして酒宴にしよう、というハーゲンの提案に同意して、一同はその場に酒の席を設けます。
ハーゲンはジークフリートに酒を勧めながら、ジークフリートに身の上話を求めます。思い出すままに自らの生い立ちを語り始めるジークフリート。

ニーベルング族のミーメに育てられ、自らノートゥングを鍛えて大蛇ファフナーを退治し、大蛇の血を舐めて小鳥の言葉を理解できるようになり、小鳥の忠告に従って指環を手に入れ、陰謀を企んでいたミーメを刀の錆にするまでを語りますが、忘れ薬のために記憶の途切れているジークフリートには、その後のことが思い出せません。
ハーゲンはさらに酒を勧めますが、この酒には毒消しが入っており、これを飲んだジークフリートに次第に記憶が蘇ってまいります。
小鳥に導かれ、炎の岩屋へ辿り着き、激しい炎を越えてそこに眠っている乙女を見つけ、接吻によって目覚めさせ、そして抱いた、と語るジークフリート。
そのとき、カラスが飛び立ちます。それを指して、「あのカラスの声もわかるか?」と尋ねるハーゲン。
身体を回し、カラスに目をやるジークフリートの背中に、ハーゲンの槍が深々と突き立ちます。
驚き騒ぐ家臣たちに、悪びれもせず「偽りの誓いを罰したのだ」と宣言するハーゲン。
急所を刺されて倒れながらも、すべての記憶を取り戻したジークフリートは、ブリュンヒルデへの愛を胸に抱きながら息絶えるのでございました。


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◇「ニーベルングの指環」に戻ります◇
◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様