「神々の黄昏」あらすじ(1)

大地の女神エルダの娘である3人のノルンたちが、この世の行く末を占っております。運命の糸を紡ぎながら世界の過去・現在・未来を糸に織り込むのがこの姉妹たちの仕事らしいのですが、未来を紡ごうとするうちに糸は切れてしまい、襲い来る不吉な運命、神々の黄昏の遠くないことが暗示されます。

時は流れ、ジークフリートとブリュンヒルデは炎の岩屋で仲睦まじく暮らしておりました。
ブリュンヒルデは僅かに残された神性のすべてを捧げてジークフリートに知恵と力を授け、ジークフリートはもはや武器で傷つくことのない不死身の肉体となっております。
その日、ジークフリートは冒険に旅立つことにし、指環をブリュンヒルデに贈り、愛剣ノートゥングと隠れ兜を携えて岩山を下ります。

ライン河に沿って、ジークフリートの向かうのは豪族ギービヒ家の城砦。
そのギービヒ家では、家長であるグンターと異父弟のハーゲンが密談しております。グンターはまだ独り身。そのグンターに、ハーゲンは世界最高の美女ブリュンヒルデを娶るよう勧めているのでございます。
炎の中に住むというブリュンヒルデを妻にするにはどうすればいいのか、と尋ねるグンターに、恐れを知らない勇者ジークフリートにグンターの妹グートルーネを妻として与える代償としてブリュンヒルデを連れて来させればいい、と答えるハーゲン。
実はハーゲンはアルベリヒがグンターの母に愛のない交わりで産ませた子供であり、アルベリヒの指環への執念の乗り移ったような男でございます。

ちょうどそこへジークフリートが到着したのを知ったハーゲンは、忘却の惚れ薬入りの酒を用意させ、ジークフリートを出迎えます。
ジークフリートを歓待するグンターとハーゲン。ハーゲンは指環について探りを入れますが、ジークフリートは「家に置いてきました」と無邪気なもの。
そこへグートルーネが酒を運んできて、ジークフリートに勧めます。喜んで酒を飲み干すジークフリート。するとたちまち薬が効いてきて、ジークフリートはブリュンヒルデのことを忘れてしまい、グートルーネに夢中になって結婚の申し出をいたします^^;


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◇「ニーベルングの指環」に戻ります◇
◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様