NO. 2
               
たしたからだ」 なんて、よく囁かれるだろ。あれと似たような感じだと思う。
にも関わらず、人間は欲望によってローリスク・ハイリターンばかりを求めてし
まう。手にした 「喜び」 だけでは満足出来ずに、それを継続させたいと願ってし
まう。勿論、僕も含めて。
そして、そこで欲望を押さえ切れないまま、更には他人の幸せを奪ってでも手
に入れようと嘘や罠、暴力に走り、略奪や奪い合いに明け暮れて、時には戦争
にまで発展させてゆく・・・。
こんなことを深く考えているとさ、時々ふと、人間がつくづく愚鈍な生き物に思え
て悲しくてたまらなくなる事があるよ。
  
よく、自分の 「死」 に対して異常なほどの恐怖心を持っている人がいるよね。
重い病気にかかったり、何かのアクシデントで死の縁に立たされると、半狂乱に
なってしまう人・・・。人間全員が必ずそんな状態に陥る訳でもないし、身体的な
特徴だとか元々変わった性格だとかの条件も全く関係なしに。僕が勝手に考え
た空想でしかないんだけど、人間が「死」に直面した時に味わう恐怖心が、あん
なにも人それぞれに大小異なるのは、前の部分で書いた 「命の法則」 の中で
決められていた「感情の絶対値」 に対して、醜い欲望に溺れて生きたがために
生じた 「誤差」 を、最期に恐怖心を味わうことによってきっと本来の比率に修正
されてゆくからだと思うんだ。無論、生じた 「誤差」 の大きさに、味わう 「恐怖