「ジークフリート」あらすじ(4)

炎の岩山の入り口で、さすらい人(ヴォータン)が大地の女神エルダの眠りを覚ましております。エルダは知恵の女神でもあり、さすらい人はエルダから神々と世界の行く末を聞き出そうとしているのでございます。
呼び覚まされたエルダは、まだ寝起きのせいかはっきりしたことは答えず、さすらい人は諦めて、再びエルダを眠りの中に戻します。

ジークフリートがやってきて、さすらい人に炎の岩山への道を尋ねますが、さすらい人が岩山への道を譲ろうとしないのに腹を立て、ノートゥングで打ちかかります。
かつてのジークムント同様、その剣を砕いてくれんと繰り出したさすらい人の槍――ヴォータンの契約の槍は、ノートゥングの刃に触れると砕け散ってしまいます。呆然とするさすらい人。この槍こそは、神々の力の象徴でございました。それが砕かれたということは……
さすらい人は、神々の時代が終わったことを悟ります。ジークフリートは、たしかにヴォータンが期待した「自由意志によって行動する英雄」でございました。が、その英雄は、神々のためでなく、新たな彼自身の世界のためにその力を行使することでありましょう。
さすらい人はジークフリートの祖父として、自らを乗り越えてしまったこの荒々しい英雄に慈愛を含んだ眼差しを送りつつ、炎の岩山への道を開けてやるのでございました。

炎を軽く乗り越えたジークフリートは、そこに美しい女性が眠っているのを発見いたします。初めて目にする女性美におののき、生まれて初めて「恐れ」を知るジークフリート。
ジークフリートの接吻によってブリュンヒルデは目覚め、自分を目覚めさせた英雄がジークムントの息子ジークフリートだと知ると、歓喜にうちふるえます。
こうして、ジークフリートとブリュンヒルデは永遠の伴侶として結ばれるのでございました。


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◇「ニーベルングの指環」に戻ります◇
◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様