「ジークフリート」あらすじ(3)

ついにノートゥングを鍛え上げたジークフリート。その切れ味は、ジークフリートを充分に満足させるものでございました。
これを見て、ミーメはかねてからの計画をいよいよ実行にかかります。言葉巧みにジークフリートをそそのかし、大蛇ファフナーの棲む洞窟へ行かせようというのです。両者共倒れになってくれれば理想的、もしジークフリートが生き残った場合には、腕によりをかけた毒薬で殺してしまおうという作戦でございます。
恐れを知らないジークフリートは、「恐れというものを学べるぞ」というミーメの言葉に興味をもち、ノートゥングを携えてファフナーの洞窟へ向かうのでございました。

ファフナーの洞窟に近い森の中で、ジークフリートが憩っております。鳥の歌声に聞き惚れるジークフリート。自分でも鳥の歌声を真似ようとやってみますが、うまくいきません。鳥と歌い交わすことを諦めたジークフリート、やおら腰の角笛を口にあてると、高らかに吹きまくります。
すると、角笛の音に目覚めたファフナーが、洞窟の奥からその巨大な姿を現します。
ファフナーは通常「大蛇」と訳されますが、原語ではWurm、虫とかミミズとか蛭とかいう意味でございます。しかし、最も近いのは「竜」のイメージでございましょう。
ファフナーはジークフリートをひと呑みにしようと襲いかかりますが、ジークフリートは右に左に竜の牙や尾の攻撃をかわしつつ、ついにノートゥングをファフナーの心臓に突き立てます。
ファフナーは死に、巨人族は絶滅したのでございます。

ファフナーの血を舐めたジークフリートは、鳥の声が理解できるようになりました。鳥はジークフリートにニーベルングの宝のこと、ミーメの陰謀のことを語ります。
ジークフリートは洞窟の奥から指環と隠れ兜を持ち出し、毒殺しようと手ぐすね引いていたミーメを一刀のもとに斬り捨てました。
鳥の声はさらに「はるかな岩山の上に、炎に囲まれて美しい乙女が眠っている」と告げます。これを聞いたジークフリートは、その乙女を手に入れようと、勇んで岩山へ向かうのでございました。


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◇「ニーベルングの指環」に戻ります◇
◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様