「ワルキューレ」あらすじ(4)

逃走に疲れ、岩山で休んでいるジークムントの前に、ブリュンヒルデが現れ、死すべき運命を告げます。
死ぬべき定めには従う覚悟のジークムントですが、ジークリンデと別れなければならないと知ると俄然態度を一変し、愛する人と生死をともにするために断固戦うと主張いたします。
ジークムントのジークリンデに対する愛の強さに打たれたブリュンヒルデは、ヴォータンの命に逆らい、ジークムントに助太刀する決意を固めたのでございました。

そこへフンディングが追いついてまいります。
名剣ノートゥングの切れ味に加え、ブリュンヒルデの加勢をも得たジークムントは、フンディングを刀の錆にしてくれんとばかりに剣を揮います。剣がフンディングを両断しようとした刹那、ヴォータンが突然現れ、トレードマークの「契約の槍」でノートゥングを打ち砕いてしまいます。
武器を失ったジークムントはフンディングの刃に倒れ、命に背いたブリュンヒルデはノートゥングの破片を拾うなり、ジークリンデを小脇に抱えると、ヴォータンの怒りから逃れるため、愛馬に打ちまたがって駆け去ります。

ワルキューレたちの集う岩山へ逃れたブリュンヒルデは、ジークリンデを森へ逃そうとしますが、最愛のジークムントを失ったジークリンデは生きる気力をなくし、いっそ殺してくれと頼みます。
そんなジークリンデに、その胎内にはジークムントの忘れ形見が宿っていると告げるブリュンヒルデ。それを聞いたジークリンデは生きる意欲を取り戻し、ノートゥングの破片を携えて森へ逃れます。


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◇「ニーベルングの指環」に戻ります◇
◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様