サン=サーンス/木管楽器のための3つのソナタ (Saint-Saëns : Trois Sonates pour Bois avec accompaniment de Piano) |
サン=サーンスは19世紀フランス音楽の作曲家として著名でございます。青年時代にはリストに私淑し、当時の先端音楽の作曲家として出発しながら、20世紀の前半まで創作活動を続け、なんとなく「時代遅れのうるさいジイさん」みたいな存在として、なんとドビュッシーの没後に至るまで矍鑠(かくしゃく)として生存しておりました。 オペラ全盛のフランスで、とかく敬遠されがちな交響曲や室内楽曲など、あまり当時の大衆のニーズに即していたとはいえない絶対音楽の分野に力を入れた点、やや年長のフランクに近いものがございますが、サン=サーンスはフランクの音楽にあるゲルマン的な晦渋さを嫌い、簡潔明晰でドライといってもよさそうな作風で際立っております。 木管楽器とピアノのために書かれた3曲のソナタは、サン=サーンス最晩年の作品でございまして、この老作曲家が最後の最後まで湿り気のない明澄さを保っていたことをよく表す佳作ぞろいとなっております。
なお、私自身はこれらの曲の演奏を聴いたことがございません。したがいまして、ここに掲載しましたMP3の演奏は的外れな変テコなものとなっている可能性がございます。また、使用しました楽譜にミスプリントではないかと思われるどうにも納得できかねる箇所があり、そこは私の判断で勝手に音を変更しております。 |
(2007.10.26〜2008.5.11) |