飽食の地に生まれ、心貧しい大人達に育てられ、矛盾した社会に失望し、心閉ざしながら今日を生きる君よ。君達の国の平均寿命は、これからもまだまだ延びてゆく。君が40、50歳になっても、若僧、青二才、と呼ばれる時代が迫って来ている。今の社会システムを変えぬままで時代を見送って行くと、君は一生補欠のままで老いを迎えてしまうだろう。豊かな暮らし、裕福な生活・・・、君達の国の人々はかつて、これらを合言葉にして働き、国の経済発展を成し遂げて来た。それらの合言葉は現在も、「強欲」という形で彼らの脳裏に焼き付いたままとなっている。独占欲、金銭欲、性欲、・・・。時代は今、新たな希望の光を掲げなければならない時を迎えている。しかし、彼らはそれを嫌い、年功序列や権力をフルに使って阻止しようとするだろう。俺達、そして君達がやらなければいけないことは、寒空に光を探すことではなく、俺達の頭上に居座って光を遮っている老兵達をその場から退かすことなんだ。この国は今、激しい大波が荒れ狂う新しい海へと、旅立つ時を迎えようとしている。船の舵を取らなければならないのは俺達なんだ。「経験」で舵を取る老兵達の力では、船は荒波に飲まれてしまうだろう。無限の可能性を秘めた若者の「勢い」だけが、荒れた海を渡り切ることが出来るのさ。何故なら「怖さ」を知っている老兵達は、たとえ、その先に明るい未来がないと解っていても安全な航路を、自分達が長生き出来る航路を選んでゆくからさ。 俺達が立ち上がらなければ、夢なんて永久に現れやしない。 戦って死んでゆくか・・・、生きたまま死んでゆくか・・・、道は2つに1つしかいんだ。 君達はまだ幼い。 俺が先に行くから、その目で全てを見ておくがいい。そして、見たままを、聞いたままを、触れたままを、感じたままを自分自身で取捨選択しながら、一歩一歩その足で歩いて来てほしい。 |