■■ タ ブ ー ■■

明日には  きっと素晴らしい事が待ち受けている・・・。
君を永遠に愛してゆく  愛してる  I love you  だから抱きしめたい・・・。
何の根拠もない「ポジティヴ」な歌。“さかり”のついた欲望を健気に隠しながら、相手に愛されながらセックスしたい・・・、「愛してる 愛してる」だけを盛んに繰り返すだけのラブソングが、そこらじゅうから聞こえてくる。
俺に言わせりゃ殆どが、ただの「逃げ道」だ。何らかの「輪」の中に自分の身をおいて、
多くの人々と接しながら生きてゆく・・・。学校、職場、サークル、地域、家庭・・・。
そして、それらの「輪」の中では必ず、人々の「感情」が絡み合って、目まぐるしいほど様々なシーンに直面する。・・・いじめ、左遷、派閥、恋愛、冠婚葬祭、・・・etc。
しかも、その中の殆どが、辛いことや苦しいこと、悲しいことばかりで、ハッピーな出来事なんてわずか一握りに過ぎない。そう、辛さ、苦痛、悲しみ、を知ることなく「幸せ」を手にすることは不可能だと言ってもいいと思う。そんなことは、「輪」の中で生きて行けば誰でも、ティーンエイジを終える頃には自覚していることだと思うんだ。たとえ、まだ社会人でなかったとしても、学歴がない人でも、裕福な家庭に育った人でも・・・。(ある特殊な例外を除いては)
にも関わらず、トラブルやいざこざ、人々との心のすれ違い、孤独感、失敗・・・そういった「辛さ」を受け止めようともせずに、自分でリスクを負うことなく、誰かが「幸せ」や「愛」を届けてくれるのを毎日愚痴を吐きながら夢見ているだけの人間模様・・・。
「愛なんて、本当は何処にも存在しないのかもしれない・・・」なんて呟いて、半信半疑に陥って、それでも心の何処かでいつまでも、誰かの愛を待ち続けている・・・。まるで期待と不安を抱えながら「サンタクロースを待つガキ」のような彼女達・・・。そして王子様に扮して、「運命の出会い」のプロローグから「悲劇的な別れ」のエピローグまでの「シナリオ」をマメに演出しながら「頂く物」をしっかり頂いて、フェイドアウトしてゆく「大根役者」の男達。笑っちまうぜ。