グリンカ歌曲集
(M.I.Glinka : Songs and Romances)

近代ロシア音楽史において、グリンカはわが国でいえば、瀧廉太郎と山田耕筰を合わせたような存在であったと申せましょう。
民謡をはじめとする豊かな民俗音楽をもちながら、芸術音楽では後進国と見られていたロシアでは、イタリア・オペラに代表される西欧の音楽が尊重される反面、自国の国民性に根ざした音楽は不当に蔑視されておりました。
このような時代に活動したグリンカは、西欧音楽のテクニックを利用しながらも、民謡や庶民の音楽の要素を大規模に作品の中に取り入れ、ロシア音楽のアイデンティティーの基盤をほとんど一人で構築したのでございます。グリンカが「ロシア国民楽派の祖」と賞賛される所以でございましょう。

グリンカは作曲に生涯を捧げましたが、実は職業作曲家というわけではなく、富裕な地主貴族として、いわば趣味で作曲活動をしておりました。19世紀ロシア国民楽派には、化学者のボロディンや陸軍軍人のキュイなど、作曲を本業としないディレッタントが何人もおりますが、その点でもグリンカは「ロシア国民楽派の祖」でございました。
53年の生涯、しかも十代の頃から作曲していたにしては作品の数はそれほど多くはございませんが、歌曲は90曲近い数を残しております。

このたび、「あそびの音楽館」では、グリンカの歌曲の一部を独奏楽器とピアノ伴奏の形で再現してみることにいたしました。
歌詞につきましては、藤井宏行様の御訳を使わせていただいております。どうもありがとうございますm(__)m
また、各曲の詳細につきましては、「梅丘歌曲会館・詩と音楽」に詳しい解説が掲載されております。こちらもぜひご覧になってくださいm(__)m


 歌曲集「ペテルブルグよ、さようなら」 (A Farewell to St. Petersburg) 

 わけもなくぼくを誘わないで (Do not tempt me needlessly)  歌 詞

 忘れない、あの美しいひととき (I remember the wonderful Moment)  歌 詞

◇あそびのエトセトラに戻ります◇
◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様
◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma