グリンカ/歌曲集「ペテルブルグよ、さようなら」 (M.I.Glinka : A Farewell to St. Petersburg) |
グリンカの残した歌曲作品の中で、まとまった歌曲集としては、この「ペテルブルグよ、さようなら」ただひとつのようでございます。 「ペテルブルグよ、さようなら」は全12曲から成っておりますが、それぞれの曲の内容は互いにストーリー的な関連性のようなものがあるわけではなく、たとえばシューベルトの「冬の旅」のような意味での連作歌曲集ではございません。シューベルトでいうなら、「白鳥の歌」のような歌曲集に近いと思われます。 ただし、「白鳥の歌」とは異なり、「ペテルブルグよ、さようなら」の方は、全曲がただひとりの詩人ネストル・クコルニクの詩に拠っております。クコルニクは単にグリンカの同時代人というばかりでなく、グリンカとは親交のあった詩人のようで、たとえば第3曲の「ボレロ」などはグリンカの作曲したピアノ曲に、後からクコルニクが歌詞をつけたということですから、二人はかなり親しい友人だったのかもしれません。
「ペテルブルグよ、さようなら」は1840年、グリンカ36歳の年の作品でございます。 |
(2006.11.12〜2010.12.19) |
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◇背景画像提供:Canary様 | |
◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma |