チャイコフスキー/交響曲第6番 ロ短調 作品74「悲愴」 (Tchaikovsky : Symphony No.4 in B minor, Op.74 "Pathètique") | |
この曲は、チャイコフスキー最後の傑作というばかりでなく、古今のあらゆる交響曲中、もっとも有名な作品のひとつでございます。 1993年の2月から8月にかけて、およそ半年で書き上げられたこの交響曲は、「悲愴交響曲」と名付けられました。かつては、弟モデストの提案でこのタイトルに決まったという話が流布しておりましたが、実際には弟とは関係なく、チャイコフスキー自身が「悲愴」と名付けたというのが真相のようでございます。 |
1888年の第5交響曲の後、「人生」をテーマにした壮大な交響曲を模索していたチャイコフスキーは、1891年から92年にかけて変ホ長調の交響曲に取り組みましたが、これを意に満たない失敗作として放棄し、新たな構想でロ短調の交響曲に着手しました。この曲の出来栄えはチャイコフスキーを満足させ、「自分の全作品中、最良のもの」と公言するほどの自信作となりました。
初演は1893年10月28日にチャイコフスキー自身の指揮で行われましたが、成功とはいえない結果に終わりました。従来の「交響曲」というイメージから予想されるものとあまりにかけ離れた音楽に、多くの聴衆が戸惑ったためと思われますが、いつもなら演奏会の結果に一喜一憂しがちなチャイコフスキーが、この曲に関しては少しも自信を揺るがすことなく、「最高傑作」という自己評価を変えることのなかったのは異例でございます。
作品自体については、超有名曲であるだけに、いまさらここで多言を要することもないと存じます。
ここで取り上げておりますピアノ連弾版は、チャイコフスキー自身による編曲でございます。 |
(2014.8.17〜8.28) |
交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」・全曲連続再生 | |
第1楽章/アダージョ−アレグロ・ノン・トロッポ(I. Adagio - Allegro non troppo) | |
第2楽章/アレグロ・コン・グラツィア(II. Allegro con grazia) | |
第3楽章/アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ(III. Allegro molto vivace) | |
第4楽章/フィナーレ:アダージョ・ラメントーソ(IV. Finale : Adagio lamentoso) | |
【2台ピアノ版について】 既にチャイコフスキー自身の手に成る優れた連弾版があるというのに、蛇足のようなアレンジをアップいたしましたのは、まったくのところJun-Tの個人的な興味で、第4楽章を2台ピアノでやってみたいという、ただそれだけの理由でございます。それなら終楽章だけアップすればよさそうなものですが、せっかくですから、全曲2台ピアノ用に編曲することにいたしました。 上に述べましたように、これは正真正銘の蛇足でございます。暇を持て余されているときにでも、時間つぶしにお聴きいただければ幸甚でございます。 | |
(2016.4.21〜5.3) | |
交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」(2台ピアノ版)・全曲連続再生 | |
第1楽章/アダージョ−アレグロ・ノン・トロッポ(I. Adagio - Allegro non troppo) | |
第2楽章/アレグロ・コン・グラツィア(II. Allegro con grazia) | |
第3楽章/アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ(III. Allegro molto vivace) | |
第4楽章/フィナーレ:アダージョ・ラメントーソ(IV. Finale : Adagio lamentoso) | |
◇「チャイコフスキー/交響曲全集」に戻ります◇ | |
◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集様 | |
◇編 曲:P. I. チャイコフスキー/Jun-T ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma | |