ハイドン/交響曲第90番 ハ長調
(Haydn : Symphony No.90 in C major)

1788年から1789年にかけて、ハイドンはフランスの貴族、ドーニ伯爵の求めに応じて3曲の交響曲を書きました。第90番〜第92番がそれで、この3曲は「ドーニ交響曲」ともいわれます。
このうち、1789年作の第92番は後のイギリス訪問の際に演奏されたため、「オックスフォード」のニックネームで有名になりますが、90番と91番は愛称もなく(90番は「R字」、91番は「T字」と呼ばれることが、ごくまれにありますが、「V字」とは比較にならないほど知られておりません)、ハイドンの後期交響曲群の中ではあまり知られていない作品ではないかと存じます。けれども、この頃のハイドンはまさに入神の円熟期のただ中にあり、有名無名を問わずいずれも優れた交響曲になっているのは驚異的なほどでございます。
この第90番も、豊かな楽想と確かな構成力をもった傑作交響曲のひとつに数えられるべき作品ではないかと存じます。充実した展開部をもつ第1楽章、急激に表情を変える変奏曲の第2楽章、ハ長調で終わったと思わせて、突然変ニ長調でコーダの始まる終楽章など、聴きごたえのある交響曲でございます。

編曲はウルリヒ(Hugo Ulrich;1822〜1872)という人の手になるもので、四手のピアノ連弾のためにアレンジされております。
ピアノで演奏された交響曲第90番、お楽しみいただければ幸甚でございます。


交響曲第90番ハ長調・全曲連続再生 

第1楽章/アダージョ ― アレグロ・アッサイ(I. Adagio - Allegro assai) 
第2楽章/アンダンテ(II. Andante) 
第3楽章/メヌエットとトリオ(III. Menuetto e Trio) 
第4楽章/フィナーレ:アレグロ・アッサイ(IV. Finale : Allegro assai) 
(2018.6.10〜6.17)

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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇編 曲:H. ウルリヒ ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma