ハイドン/交響曲第73番 二長調「狩」
(Haydn : Symphony No.73 in D major,"La Chasse")

1780年、ハイドンは自作のオペラ「報われたまこと」第3幕の序曲を交響曲の終楽章として改作し、翌年に第1楽章から第3楽章までを書き下ろしてこの交響曲を完成したのですが、第4楽章は狩の場面を表す音楽であったため、自らスコアに「狩」と表記いたしました。ハイドン自身が交響曲にタイトルを与えた珍しい例でございます。
全曲は通常の4楽章で構成されておりますが、どの楽章もたいへん充実した音楽で、この時期ハイドンは自己のスタイルを確立し、自信をもって筆を進めているのがよくわかります。豊かな旋律性とベートーヴェンに通じるような動機労作の展開部をもつ第1楽章、チャーミングなメロディの第2楽章、そして全曲をピアニシモで結ぶという意表を突いた終楽章など、円熟期に入ったハイドンらしい仕掛けも満載でございます。

編曲はウルリヒ(Hugo Ulrich;1822〜1872)という人の手になるもので、四手のピアノ連弾のためにアレンジされております。
ピアノで演奏された交響曲第73番、お楽しみいただければ幸甚でございます。


交響曲第73番ニ長調「狩」・全曲連続再生 

第1楽章/アダージョ ― アレグロ(I. Adagio - Allegro) 
第2楽章/アンダンテ(II. Andante) 
第3楽章/メヌエット(III. Menuetto) 
第4楽章/フィナーレ:プレスト(IV. Finale : Presto) 
(2018.10.1〜10.11)

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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇編 曲:H. ウルリヒ ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma