ハイドン/交響曲第104番 ニ長調「ロンドン」
(Haydn : Symphony No.104 in D major,"London")

1794年から翌年にかけて、ハイドンは第2回目のイギリス訪問を果たし、今回も大成功を収めました。この度の演奏旅行のために、ハイドンは6曲の交響曲を書き上げましたが、これらはハイドン最後の交響曲のシリーズとなりました。イギリス訪問の後、ハイドンは創作の主軸をオラトリオや宗教音楽に移し、再び交響曲の筆を執ることはなかったからでございます。

ニ長調の第104番交響曲は、正真正銘、ハイドン最後の交響曲となりました。
作曲されたのは1795年。同年春に初演されて、大成功を収めました。今日この曲は「ロンドン」のニックネームで呼ばれておりますが、この愛称は19世紀に入ってから名付けられたもので、特に深い意味はございません。
全曲は定石通りの4楽章構成、円熟期のハイドンの安定の技術力、豊かな楽想、自由自在の闊達な筆致で、18世紀交響曲の頂点を成す1曲と申してよろしいでしょう。
この交響曲から5年後の1800年、ベートーヴェンの第1交響曲が初演され、交響曲の歴史は新しい地平へと一歩を踏み出すことになります。

編曲はウルリヒ(Hugo Ulrich;1822〜1872)という人の手になるもので、四手のピアノ連弾のためにアレンジされております。
ピアノで演奏された交響曲第104番、お楽しみいただければ幸甚でございます。


交響曲第104番ニ長調「ロンドン」・全曲連続再生 

第1楽章/アダージョ ― アレグロ(I. Adagio - Allegro) 
第2楽章/アンダンテ(II. Andante) 
第3楽章/メヌエット:アレグロ(III. Menuetto : Allegro) 
第4楽章/アレグロ・スピリトーソ(IV. Allegro spiritoso) 
(2021.3.10〜3.20)

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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇編 曲:H. ウルリヒ  ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma