ドヴォルザーク/交響曲 第4番 ニ短調 作品13
(Antonín Dvořák : Symphony No.4 in D minor, Op.13)

1874年の1月から3月にかけて作曲されたこの作品は、ドヴォルザークの交響曲としては4番目の作品で、作曲者自身によって「交響曲ニ短調作品13」とされました。
初演はその年の5月にスメタナの指揮で行われましたが、このときは第3楽章のみが演奏され、全曲の初演は作曲から20年近くも経た1892年のことでした。

この曲は作曲から13年後の1887年に、変ロ長調(第2)、変ホ長調(第3)、ヘ長調(第5)の3つの交響曲とともに、大きな改訂を受けました。ドヴォルザークは初期の交響曲に愛着をもっており、これらの作品をジムロック社から出版してもらおうと目論み、演奏に値するように手を加えたのですが、これらの作品を見たジムロック社はヘ長調交響曲以外は出版の価値なし、と考えて、残り3作はボツとしました。
ドヴォルザークはこの仕打ちに不満で、1890年代に自らの指揮でこれらの旧作交響曲を演奏しておりますが、結局作曲者の生前に出版されることはなく、紛失していた第1交響曲も含め、すべての交響曲が出版されたのは20世紀も半ばを過ぎてからのことになりました。

1870年代の初め、ドヴォルザークはワーグナーの音楽にある程度影響を受けており、第4交響曲にもその片鱗がうかがわれます。特に第2楽章にはワーグナー的な響きが顕著でございます。
全曲は伝統的な4楽章制で構成されており、どの楽章も手堅く仕上げられております。第2楽章が変奏曲で書かれているのはドヴォルザーク交響曲の緩徐楽章としては唯一の例でございます。

ここではピアノでこの交響曲を演奏するため、2台ピアノ用にJun-Tが編曲したものを掲載しております。例によって原曲の豊かなオーケストレーションの彩りは失われてしまっておりますが、万が一お楽しみいただければ幸甚でございます。

(2022.9.15〜9.26)

交響曲第4番ニ短調 作品13・全曲連続再生 

第1楽章/アレグロ (I. Allegro) 
第2楽章/アンダンテ・ソステヌート・エ・モルト・カンタービレ 
    (II. Andante sostenuto e molto cantabile)
第3楽章/スケルツォ:アレグロ・フェローチェ (III. Scherzo : Allegro feroce) 
第4楽章/フィナーレ:アレグロ・コン・ブリオ (IV. Finale : Allegro con brio) 

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◇編曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma