ブラームス/交響曲第1番 ハ短調 作品68 (Johannes Brahms : Symphony No.1 in C minor, Op.68) |
1853年にローベルト・シューマンが最後のエッセイ「新しい道」で無名の青年ブラームスを楽壇に熱狂的に紹介してからほぼ10年後の1862年、29歳のブラームスは交響曲の第1楽章に着手いたします。これがこの作曲家の交響曲というジャンルへの何度目の挑戦であったのか、正確なところはわかりません。 |
ただ、ベートーヴェンとシューベルトの交響曲を受け継ごうとしたシューマンが、自らは完全には果たせなかった正統派交響曲継承の夢をブラームスに託し、ブラームスはそれに誠実に応えようと何度も交響曲の作曲を試みては挫折を繰り返していた、ということは間違いないでしょう。 第1ピアノ協奏曲(1856)やニ長調のセレナーデ(1858)が、ブラームスの交響曲への取り組みの中から生まれてきたものであることは明らかですが、その他にも作品としてまったく陽の目を見ずに放棄された交響曲の残骸が少なからずあったのではないかと推察されます。 |
それはともかく、今日ブラームスの第1交響曲として知られる作品の第1楽章のアレグロ部分は、1862年のうちにひとまず書き上げられたようでございます。
1860年代、すなわち年齢にして30歳代半ばまでのブラームスは世間的に知名度の高い作曲家とはいえず、一般の認識としては室内楽と歌曲を主要なジャンルとする、どちらかといえば地味な存在でございました。
ともあれ、ブラームスの存在が大きくなるにつれ、シューマン以来途絶した感のある正統派交響曲への期待がブラームスの双肩にかかってきたことは事実でございます。
この交響曲については、あまりにも有名曲でございますから、ここであらためて何か書き加えることもございません。ただ、この曲に関しては、第2交響曲以降の3曲のような、2台のピアノのための編曲が残されておりません。
というわけで、「あそびの音楽館」としましては、第1交響曲のみは2台ピアノ用にJun-Tが編曲したものを公開することにいたしました。 |
(2013.3.24〜4.15) |
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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集様 | |
◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma |