§3. 自供
空しさの理由もため息の原因も、いつも当たり前にラッシュに揺られて息苦しさに耐えて、当たり前に頭を下げて笑顔作って心を押し殺して、常に自分と社会との間に適当な折り合い探しながら生きて行くはめになった経路も、これから先の生き方を変えて行くことなんて自分には出来ないってことも・・・ 全部分かってるんだ・・・
俺 何やってんだろ・・・ 俺 何でこんな事やってんだろ・・・ 俺 何でここにいるんだろ・・・俺 何でこんなふうになっちゃったんだろ・・・時々ふっと心に込み上げてくる自分への疑問だって、本当は自分で全部 その理由も よく分かっているんだ・・・
自分が一番よく分かっているんだ。分かっているのに 自分で自分に惚けているんだ・・・ 誰かのために自分の全てを投げ捨てる覚悟などある訳もなく、人間はみんな 所詮 自分が一番大切で、誰だって自分を一番愛しているんだ なんて開き直った台詞を吐いてみたって、その“一番大切で愛してる自分自身”をも騙しながら暮らしている。本当は気付いていることでも 自分に都合が悪ければ気付いてないふりして何も知らないことなのに 全て分かっているようなふりして・・・「いいんだよ その時“自分”が楽しければ・・・」 楽しめている訳がないだろ。だって 自分で自分を騙してイカサマしながら “楽しい”って思い込ませてるだけだろ。 「たとえ そうだったとしても別に何かに迷惑かけていなければ どんな生き方しようが どうでもいいんじゃないの？自分は自分なんだから・・・」 ふざけんな 人間なんてな 息を吸って吐いて、食い物食ってクソたれて生きてること自体が環境破壊なんだよ。
迷惑なんか生まれた瞬間からずっと かけっぱなしなんだよ。 「そんなの 俺だけじゃなくてみんな同じじゃねえか」何だよ ガッカリだぜ 自分は自分だって言ってて、都合が悪けりゃ群れの中に逃げるのかよ。結局 テメエの後始末を一人でつけられねえくせに 偉そうに好き勝手なことやって 能書きたれて 逃げてるだけだろ。自分が生きて行く理由が見当たらないってことが怖くて 自分から目を背けてるんだろ。本気になって探しても 何も見つけられなかったどうしよう・・・って、ずっと“自分自身の意味”から逃げ続けて来た。その結果が“今現在”の虚無感に繋がっているんだろうが、違うか？ えぇどうなんだよ
「･･････そっ その通りだよ」
(続く)