++ 夕 立 ++ |
突然降り出した夕立に 僕は石畳の上を慌てて駆け出し 通り沿いにひっそり佇む 小さなブティックの アーケードの下へ逃げ込んでいた 僕はひとり不機嫌に 灰色によどんだ空を にらみながら 雨雲が通り過ぎるのを待っていた そこへ少し遅れて ずぶ濡れになった君が駆け込んできた ふとさりげなく 君の様子を見ると 灰色によどんだ空を 不機嫌そうに にらんでいた 次の瞬間 僕はそんな君の横顔をぼんやり見つめながら どうか しばらくこのまま雨が降り続きますように・・・ そう 祈っていた 突然降り出した夕立は 埃立った街並を キラキラと銀色に輝かせていた そこで君と僕は出逢った・・・ |