+++ 軌 跡 +++ 遥か遠い昔に起源したその瞬間から、長い「時の旅路」の中でたった一度も途絶えることなく、今日まで受け継がれて来た自分の《命》の意味をずっと考えていた。 僕の躰に宿った「この命」は何処から来て、そして何故、僕に受け継がれたのか。一体何のために、何を探して、何処へ向かって行くというのだろうか・・・。 「確かな答え」に繋がるヒントすら、ひとつも掴めないままなのに、ただ無情に時間だけが過ぎ去って行った。 自分に苛立ちを覚え、そして焦りに変わり、諦め、失望していた。心は渇き切っていた・・・。 「もうどうだっていいさ、このまま流されちまおう・・・」 そう思っていた。停滞した虚無感の中で、たったひとつだけ探していたものがあった。・・・「死」。僕は何時しか「死」を探しながら街の人込みの中を歩くようになっていたんだ。 そう、この世界に降り立つ以前に僕がいた世界を・・・。 視線を感じた・・・。ふと横を見ると君が隣りで歩いていたんだ。柔らかな笑顔で僕を見つめて・・・。何故だろう、僕は何の抵抗感もなく君に心を開くことが出来た。 二人の時間を重ね合ってゆく日々の中、僕は次第に、君の優しさに「安らぎ」を覚え、君の屈託のない笑顔に「癒し」を感じていた。そして気付いたんだ。僕にとって君こそが何よりも大切でかけがえのない「愛する人」だということに。 そこに、【僕の命の行方】があった・・・。 〜LOCUS〜 |
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