モーツァルト/歌劇「皇帝ティトの慈悲」 K.621 から
(La Clemenza di Tito K.621)

このオペラを本格的に作曲していた1791年7月、没するまでわずか半年も残されていないという時期に、モーツァルトは3つの大作を抱えていました。「魔笛」と、灰色のマントを着た謎の男に依頼されて、ついにその死によって完成されることのなかった「レクイエム」と、そして「皇帝ティトの慈悲」です。
古くから「ティト」については、疲れていたとか急いで書き飛ばした(わずか18日で完成したという説もあったようです)とか言われ、「魔笛」の影に隠れてあまりいい評価はされていませんでした。
初演に際しては、皇女マリア・ルイーゼは「ドイツ式の汚らしいもの」と評したそうですが、今目の前にいたら張り倒してやりたいくらいです。

たしかに「魔笛」の完成度には及ばないにしても、このオペラの中には美しい音楽が随所に見られます。
私jimmaの好みでは、「魔笛」に次いで、「フィガロ」よりも「ドン・ジョヴァンニ」よりも好きなオペラなんですね。一時期「ティト」を聴いていて、「魔笛」の先にあったかも知れない何かを垣間見る思いすらしていました。

というわけで、これから可能な限り取り上げて行きたいと思っています。

※曲はすべてMP3でお楽しみいただけます。


第07番「二重唱」(No.07, Duet)
第08番「ああ、もし王座のまわりに」(No.08, Aria) 
第13番「ティトの傍に戻りたまえ」(No.13, Aria) 
第24番「合唱」(No.24, Chorus)

◇あそびの管弦楽に戻ります◇
◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様
◇MIDIデータ作成・録 音:jimma