チャイコフスキー歌曲集 (Tchaikovsky : Songs and Romances) |
チャイコフスキーは生涯に100曲を越える歌曲を残しております。チャイコフスキーのおもな創作期間はおよそ25年間あまりですが、他に数々の大作を作り続けていたことを考えますと、100曲という数はかなりのものでございます。 作品数だけでいえば、歌曲はチャイコフスキーの創作におきまして、大きな比重を占めていると申せましょう。 ところが、チャイコフスキー自身は、歌曲やピアノ小品は自分の創作の中では比較的軽いジャンルと考えていた節がございます。チャイコフスキーにとって重要なジャンルは交響曲とオペラであり、たとえば歌劇「マゼッパ(マゼーパ)」の印税について出版者のユルゲンソンに宛てた手紙では、次のようなことが書かれております。 「君は僕のろくでもないロマンス(歌曲)十曲分くらいにしか考えていないが、僕は『マゼーパ』には何百曲もロマンスが入っていると思う。(中略)論理的に考えて、これは十曲のロマンスや十曲のくだらないピアノ曲よりも、少なくとも十倍は僕に報酬をもたらすべきだ」 |
(森田 稔「新チャイコフスキー考」より) |
たしかに、チャイコフスキーの歌曲には、ムソルグスキーやボロディンのそれのような抜きがたい独自性や強烈な生命力は希薄かもしれません。 とはいえ、折々に書かれた多くのロマンスは、この作曲家特有のメランコリーと甘美さを湛えていることも事実でございます。 そこで、「あそびの音楽館」では、通常あまり目立つことのないチャイコフスキーの歌曲のいくつかを独奏楽器とピアノ伴奏という形でご紹介し、その捨てがたい魅力の一端をお伝えすることにいたしました。
歌詞につきましては、藤井宏行様の御訳を使わせていただいております。どうもありがとうございますm(__)m |
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◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様 | |
◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma | |