バレエ音楽「くるみ割り人形」作品71 (The Nutcracker, Op.71) |
チャイコフスキー晩年の傑作でございます。ひとりで三大バレエを書いてしまったチャイコフスキーですが、この曲は「白鳥の湖」「眠れる森の美女」と比較してストーリーも構成もシンプルで、一見子供向けの軽い音楽に見られがちではございますが、どうしてどうして、洗練の極みともいうべき音楽に仕上がっております。 作曲は1891年の1月から1892年の4月まで、1年以上の時間をかけて完成されました。 初演はうまくいかず、作曲者は失望を味わったようでございますが、全曲から数曲を抜粋した組曲は好評で、今日でも「くるみ割り人形」といえばこの組曲が連想されるほどの人気曲となっております。 全曲が真の成功を収めたのは、作曲者の没後であったということでございます。
優れた演奏で録音されたものが数え切れないほど存在するこの曲を、いまさら下手な連弾の編曲でお聴きいただくことには意味がないような気もいたしますが、普段聴き慣れた曲をピアノでやってみる、というのも面白い試みではないかと考え、無謀ではありますが全曲の連弾化に踏み切った次第でございます。 |