松やヤマモモの そこはかとない物憂さにつつまれながら ぼくたちの魂を、ぼくたちの心を 恍惚としたぼくたちの官能を溶かしあわせよう
きみの目を半ば閉じて 腕を胸のうえに組んで まどろんだ君の心から、どんな考えも 永久に追い払ってしまうんだ
枯葉色の芝を波立たせながら きみの足元に吹いてくる そよ風のやさしいゆすぶりに ぼくたちは身をまかせていよう
そして黒々とした樫の木々から おごそかに夕暮れが降りてくるとき ぼくたちの絶望の声かのように 夜鳴きうぐいすが歌うことだろう