「第七の環」による5つの歌曲 作品3
(5 Lieder von "Der siebente Ring", Op.3)

ウェーベルンの創作期は、その作曲手法だけで単純に分けますと以下のように分類できるかと思われます。

  T.調性の時代(1899頃〜1908年)
         初期の習作から「軽やかな小舟で逃れよ」(Op.2)まで
  U.無調の時代(1909頃〜1924年)
        「第七の環」による5つの歌曲(Op.3) から「五つのカノン」(Op.16)まで
  V.十二音の時代(1925頃〜1944年)
        「三つの宗教的民謡」(Op.17)からカンタータ第2番(Op.31)まで

もっとも長い十二音の時代は、書法が複雑化する前半(弦楽三重奏曲Op.20まで)と作風に澄明度の増す後半(交響曲Op.21から)に分けてもよろしいかもしれません。

ここで取り上げております「『第七の環』による5つの歌曲」は、ウェーベルンが無調の世界へ踏み出した最初の作品でございます。
初期のウェーベルンはブラームスやワーグナーに心酔し、作風も繊細かつ抒情的なロマン派ふうのものでございましたが、無調を主たる手法として以降のウェーベルンは、繊細さはそのままに、極度に切り詰めた尖鋭な表現で、独自の風格を生み出しております。
シュテファン・ゲオルゲの詩に作曲された五つの歌曲は、いずれも極めて短い曲ではございますが、その凝縮された書法の中に一抹の抒情味も漂わせ、たいへん印象的な歌曲集となっております。

「あそびの音楽館」では、この歌曲集を独奏ヴァイオリンとピアノ伴奏という形でやってみたいと思います。そのため、声楽の部分に多少のアレンジを加えておりますことを、あらかじめご了承願いますm(__)m

歌詞につきましては、藤井宏行様の御訳を使わせていただいております。どうもありがとうございますm(__)m
また、曲の詳細につきましては、「梅丘歌曲会館・詩と音楽」に詳しい解説が掲載されております。こちらもぜひご覧になってくださいm(__)m


 「第七の環」による5つの歌曲 作品3・全曲連続再生 

 第1曲:ひとつの歌がある (Dies ist ein Lied)  歌 詞
 第2曲:風のそよぎに (Im Windesweben)  歌 詞
 第3曲:小川のほとりで (An Bachesranft)  歌 詞
 第4曲:朝露の中を (Im Morgentaun)  歌 詞
 第5曲:裸で木が伸ばしている (Kahl reckt der Baum)  歌 詞

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◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様
◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma