ベルガマスク組曲
(Suite Bergamasque)

「ベルガマスク組曲」は、ドビュッシー初期のピアノ曲を代表する傑作でございます。作曲は1890年頃にひとまず終わっておりますが、完成から15年ほども経た1905年になって、ようやく出版されました。その際に、かなり手を加えられた模様でございます。

全曲の題名である「ベルガマスク」とは、イタリアのベルガモ地方の舞曲、またはその舞曲を踊る人という意味でございますが、実際にはそのような舞曲とは直接の関係はなく、ヴェルレーヌの詩「月の光」の一節、

  Que vont charmants masques et bergamasques

  そこではお洒落な仮面とベルガモ風の衣装が行き交い 
        (訳:藤井宏行様

から名づけられたもののようでございます。

全曲は4曲から成っておりますが、第3曲の「月の光」はドビュッシーのピアノ作品の中でももっともポピュラーな曲で、聴いたことのない人はいない、と申しても過言ではないでしょう。この曲があまりに有名なため、他の3曲はなんとなく影の薄いきらいがございますが、よく聴いてみますと、どの曲もいずれ劣らぬ魅力に満ちております。
全曲の粒が高い水準で揃っているという点から見ても、この曲はドビュッシー初期のピアノ曲の総決算としての地位を占めていると申せましょう。

(2007.1.16〜1.22)

「ベルガマスク組曲」・全曲連続再生 

第1曲:前奏曲(I. Prélude) 
第2曲:メヌエット(II. Menuet) 
第3曲:月の光(III. Clair de lune) 
第4曲:パスピエ(IV. Passepied) 

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◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様
◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma