シベリウス/5つの小品(樹の組曲)作品75
(Jean Sibelius : 5 Pieces, Op.75)

1914年、第1次世界大戦勃発の年の作品でございます。
この世界大戦中、シベリウスはヴァイオリン曲、ピアノ曲、合唱曲や歌曲など、小編成で演奏可能な小品をかなりの勢いで作曲しております。これには戦時中のため、契約を結んでいたドイツの出版社からの印税の取得が不可能になり、生活のためにすぐお金になるような曲を次々に書き上げた、という事情もあるようでございます。
シベリウスというと、若い頃から国家年金をもらって悠々自適の生活を送っていたように思われがちですが、青年時代からの浪費癖がつねに生活を圧迫しがちだったようで、「小遣い稼ぎに作曲する」ということがしばしばあったようでございます^^;

ただこの時期は、1910年前後の肉体的危機(耳疾や喉頭部の腫瘍)を乗り越え、創作力が大いに高まっていたことも事実で、たとえば壮麗な交響曲第5番はこの時期の作でございます。

作品75の「5つの小品」の書かれたのは第5交響曲の前年にあたり、全編に亘って無駄のない簡潔な書法の中に、シベリウスらしい北欧的なリリシズムが感じられる魅力的な作品でございます。
この曲集では個々の曲に樹木に因む題名が付けられており、ピアニストの館野泉氏は「樹の組曲」と名づけておられますが、私も「5つの小品」などという殺風景なタイトルより、詩的で味わい深い「樹の組曲」を正式名称として推したいと思っております^^
ちなみに、第1曲「ピヒラヤの花咲くとき」の「ピヒラヤ」とは、和名「ナナカマド」のことだそうでございますm(__)m

【参 考(Wikipediaより)】
◆ピヒラヤ   ◆樅の木   ◆ポプラ   ◆白樺
(2008.7.15〜7.20)

  1. ピヒラヤの花咲くとき(When the Mountain Ash Blooms) 
  2. 孤独な樅の木(The Solitary Fir Tree) 
  3. ポプラ(The Aspen) 
  4. 白樺(The Birch Tree) 
  5. 樅の木(The Sapin) 

 5つの小品(樹の組曲)作品75・全曲連続再生 

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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma