シベリウス/5つのロマンティックな小品 作品101
(Jean Sibelius : 5 Romantic Compositions, Op.101)

1919年に第5交響曲の決定稿を書き上げたシベリウスは、翌1920年から1924年にかけて、4つのピアノ小品集(作品97、作品99、作品101、作品103)を作曲しております。
どちらかといえば気が向いた時に書き溜めたものを集めた、という趣のある作品97、作品99に対して、作品101と作品103の2つは、曲集として首尾一貫した構成のようなものを備えていると申せましょう。シベリウス自身、「5つのロマンティックな小品」について、「組曲として演奏することも可能である」と発言しております。

「5つのロマンティックな小品」は1923年から24年にかけて作曲されました。時期的には、ちょうど第6、第7の2つの交響曲が書かれていた期間に相当しますが、この曲集には後期シベリウスらしい特有の時間感覚に加えて、初期の作品に見られたような旋律的な要素の復権も見られ、思いがけず豊かな多様性をもった曲集になっております。
とりわけ最終曲の「ロマンティックな情景」は、この時期のシベリウスのピアノ曲としては最上といいたくなるようなメロディとハーモニーの潤いが見られ、非常に魅力的な音楽になっていると思われます。

(2014.9.4〜9.9)

  1. ロマンス(Romance) 
  2. 夜の歌(Chant du Soir) 
  3. 抒情的な情景(Scène Lyrique) 
  4. ユーモレスク(Humoresque) 
  5. ロマンティックな情景(Scène Romantique) 

 5つのロマンティックな小品 作品101・全曲連続再生 

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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma