セイシャス/12のトッカータ (José Antonio Carlos de Seixas : 12 Toccatas) |
ホセ・アントニオ・カルロス・デ・セイシャスは18世紀前半のポルトガルの作曲家でございます。教会オルガニストであった父の後継者として鍵盤楽器を学ぶため、14歳でリスボンに上京し、当時ポルトガル宮廷の音楽教師を務めていたドメニコ・スカルラッティに師事しました。 スカルラッティはこの少年の才能を非常に高く評価したそうで、その賞賛に違わず、セイシャスは宮廷作曲家として活躍いたしました。が、それも束の間、セイシャスはわずか38歳という若さで大きな才能を抱いたまま世を去ってしまいました。 ところが、セイシャスの真の不運は、実はその死後に訪れたのでございます。 1755年、当時のヨーロッパを文字通り震撼させたリスボン大地震が発生、首都リスボンは地震とそれに伴う大火災で壊滅状態となり、セイシャスの作品の大半もこのとき焼失してしまったのでございました。 今日までに残されたセイシャスの作品は、およそ100曲のハープシコードのためのソナタ、若干の器楽のための作品と教会音楽なんだそうでございます。
私はこの作曲家についてはまるっきり無知でございますが、まったく偶然にセイシャスの名を耳にし、地震で多くの作品が失われたことを知って、いったいどんな曲を残したのかと興味をもちました。 「トッカータ」と題されてはおりますが、各曲はいずれも2つまたは3つの楽章から成る多楽章構成の作品で、むしろ「ソナタ」といった方がよろしいのではないかという曲ばかりでございます。年齢的にはだいぶ年下とはいえ、バッハやヘンデルと同時代の作品にしては相当にモダンな音楽であるような気がいたしますが、いかがでしょうか? 演奏上の時代考証などまったく無視した演奏になっているかとは存じますが、お楽しみいただければ幸甚でございますm(__)m |
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◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様 | |
◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma |