シューベルト/ピアノ・ソナタ イ長調 D.959
(Franz Peter Schubert : Piano Sonata in A major, D.959)

常々ピアノ2台連弾のときの第2ピアノが決まらずに困っておりまして、先日Jun-Tと新しく何かピアノ音源はないかという話になりました。
そんなときに、Vienna Instrumentsがダウンロード販売に切り替わり、在庫のDVDを割引販売するというメールがあったので、VIのピアノを買おうとしていたのです。VIには散々痛い目に遭っているのであまり気は進みません。これまでVIの音源をいくつも買って、結局使っているのはSolo Stringsのみという有様ですから、VIでベロシティ100段階でサンプリングしたピアノ音源と聞いてもそれを使いたいとは思いませんでした。
ほかに何かないかと検索で探したところ、物理モデル音源のピアノが見つかったのです。物理モデル音源といえば1990年代にYAMAHAがVL1という製品を出していました。興味があって楽器店に見に行ったものでした。ちょっと触った限りでは、当時のサンプリング音源には到底及ばないのと、同時発音2音でどうやって使うの?と疑問に思いました。

今回購入したのはフランスのMODARTTというところから出ているPianoteq 4という音源です。
デモ曲を聴いた限りではVIのベーゼンドルファーの簡易版の方が音はよかったかも知れません。Pianoteq 4には、基本的に鳴らすだけのStageと弦の長さなどを変えられるStandard、1音ごとにいくつのもパラメータを編集出来るProと3つのバージョンがあります。失敗したときのことも考えて、一番安いStageにしました。
鳴らすだけといっても、ベロシティカーブやダイナミクス、鍵盤を離したときのノイズ、ペダルノイズ、エフェクトなどの設定は出来ますので、今のところこれで十分だという気がしています。

音色そのものは、いつも使っているPMI Bosendorfer290にまだ分がありそうです。
このピアノ音源は10年くらい前に出たもので、ベロシティ16レイヤーは当時としては多い方だったと思いますが、使っているとやはりベロシティ1上げただけで音質・音量ががらりと変わってしまうのが気になります。この点は、Pianoteqではスムーズに変化してくれます。
Pianoteqは楽器のシミュレーションなので、18、19世紀のピアノフォルテなどの音色も入っており、Firefoxのプラグインのように、有償・無償のアドオンでさらに楽器を追加することが出来るという自由度の高いところはサンプリング音源との大きな違いでしょう。
今後のバージョンアップに大いに期待しているところです。

さて、曲についてですが、シューベルトの最後の年の9月に作曲された遺作ソナタの中から第20番イ長調です。19番イ短調はあまりにベートーヴェン的過ぎるので、このイ長調と最後の変ロ長調をやる予定にしています。
このソナタを初めて聴きましたのは、学生の頃にJun-Tが買ったレコードででした。その後自分でも遺作ソナタ3曲や幻想、シューマンが「勇ましいニ長調」と呼んだソナタなどを聴きました。

この遺作ソナタを作曲したわずか2ヵ月後にはシューベルトはこの世の人ではなかったと思うと何か感慨深いものがありますね。

(追記)
このソナタの終楽章のロンド主題は、初期のイ短調ソナタ(D.537)の第2楽章からとられていると辞典等に書かれているんですが、私はそのソナタを知りませんでしたので、この機会に音にしてみました。
シューベルトはたびたび自作のメロディを使いますね。有名なところではロザムンデの間奏曲第3番のメロディは、弦楽四重奏曲で使い、晩年の即興曲でも使っています。これはシューベルトがロザムンデのメロディをとても気に入っていたということでしょう。
これに対してイ長調ソナタのロンド主題は、イ短調ソナタから11年も経っていることから、もしかしてシューベルトは旧作のメロディだということをあまり意識していなかったんじゃないかと勝手に推測しています。


 ピアノ・ソナタ イ長調 D.959・全曲連続再生 

 第1楽章:アレグロ(I. Allegro) 
 第2楽章:アンダンティーノ(II. Andantino) 
 第3楽章:スケルツォ/アレグロ・ヴィヴァーチェ(III. Scherzo : Allegro vivace) 
 第4楽章:ロンド/アレグレット(IV. Rondo : Allegretto) 

 ピアノ・ソナタ イ短調 D.537から第2楽章:アレグレット・クアジ・アンダンティーノ 
   (Allegretto quasi andantino from Piano Sonata in A minor, D.537) 

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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇編 曲・MIDIデータ作成:jimma ◇録 音:jimma