シューベルト/交響曲 第8番 ハ長調 D.944 (Schubert : Symphony No.8 in C major D.944) |
交響曲作家としてのシューベルトを不動の位置に据えている作品は、「未完成」の名で親しまれているロ短調(D.759)と、この大交響曲ハ長調の2曲であることには、誰しも異論のないところかと存じます。にもかかわらず、これら2曲はいずれも作曲者の没後に発見されて再評価を受けた点で共通しており、生前のシューベルトはまことに気の毒な人であったというほかございません。
「ザ・グレート」という通称で知られるこの交響曲は、完成された交響曲としてはシューベルト最後の作品でございます。 この曲はシューベルト没後10年を経て、墓参に訪れたシューマンの手によって発見され、メンデルスゾーンとゲヴァントハウス管弦楽団が初演して以来、ベートーヴェンで頂点を極めたと思われた交響曲というジャンルに新しい道を拓いた傑作として、音楽史上に輝いております。
さて、シューベルトの完成された交響曲を年代順に並べた結果、「第7」の番号を与えられたこの曲でございますが、1860年代になって未完成のロ短調交響曲が発見され、「第7」の番号も怪しくなってまいります。「未完成」が「第8」の番号を与えられたため、「未完成」よりも後に作曲されたこの曲を「第7」とするのも変な話になったわけでございます。 全曲は伝統的な4つの楽章で構成されておりますが、各楽章の大きさ、表現の独自性は目を瞠るばかりでございます。ことに第1楽章の冒頭に現れる旋律はシューマンの「モットー」を予見させる意義をもっており、この交響曲を一層印象的なものにしております。 連弾への編曲につきましては、例によって私の力不足から原曲のすばらしさのごく一部すら再現できておりませんが、万が一、ピアノで聴くのも目先が変わって面白い、と僅かなりとも思っていただければ、望外の幸せでございますm(__)m |
◇あそびのピアノ連弾に戻ります◇ | |
◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様 | |
◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma | |