交響曲第36番 ハ長調 K.425「リンツ」
(Symphony No.36 in C major, K.425)

1783年、モーツァルトがザルツブルクに帰省後、ウィーンに戻る途中で立ち寄ったリンツにおいて、わずか4日間で書き上げたという驚くべきエピソードをもつ曲でございます。
ひとつ前の交響曲「ハフナー」からおよそ半年後の作品ですが、その音楽的進展は著しく、その充実した内容はそれまでにモーツァルトの書いた交響曲中の最高峰と申しても過言ではございません。

全曲は4つの楽章で構成されておりますが、モーツァルトが初めて冒頭楽章に序奏を書いた交響曲としても特記すべきでしょう。「プラハ」や第39番のそれに比べると簡潔ですが、それに続くアレグロ主部の充実度は「プラハ」以降の冒頭楽章に肉薄しております。
その他の楽章についてもハフナー交響曲までのものとは一線を画しており、モーツァルト後期交響曲の最初の作品として銘記すべき音楽と申せましょう。

編曲はウルリヒ(Hugo Ulrich;1822〜1872)という人の手になるもので、四手のピアノ連弾のためにアレンジされております。
ピアノで演奏されたリンツ交響曲、お楽しみいただければ幸甚でございます。


交響曲第36番ハ長調「リンツ」・全曲連続再生 

第1楽章/アレグロ・スピリトーソ(I. Allegro spirituoso) 
第2楽章/ポコ・アダージョ(II. Poco adagio) 
第3楽章/メヌエット(III. Menuetto) 
第4楽章/プレスト(IV. Presto) 

◇あそびのピアノ連弾に戻ります◇
◇編曲:H. ウルリヒ ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma