ハイドン/交響曲第101番 ニ長調「時計」
(Haydn : Symphony No.101 in D major,"The Clock")

ハイドンは第2回目のイギリス訪問のために6曲の交響曲を書きました。「第2期ザロモン・セット」といわれる作品群ですが、この交響曲は傑作ぞろいのこのセットの中でも、「軍隊」「太鼓連打」「ロンドン」と並んで非常に有名な作品でございます。
作曲は1793年、ハイドン61歳の年ですが、還暦を迎えた人の手に成るとはとうてい思えない、若々しい活気に満ちた音楽です。とはいえ、手法はきわめて円熟しており、自由自在な転調や効果的に配置された対位法、動機労作による充実した展開部など、古典派音楽のひとつの頂点を示していると申しても過言ではございません。モーツァルトを例外として、ベートーヴェン以前でこれほど充実した一群の交響曲を書き上げたハイドンの創作力には目を見張るものがございます。
「時計」というニックネームは、第2楽章の規則的なリズムが時計の刻みを思わせるところから付けられたといわれておりますが、ハイドン自身によるものではなく、名付けられたのもかなり後年になってからのようでございます。

編曲はウルリヒ(Hugo Ulrich;1822〜1872)という人の手になるもので、四手のピアノ連弾のためにアレンジされております。
ピアノで演奏された交響曲第101番、お楽しみいただければ幸甚でございます。


交響曲第101番ニ長調・全曲連続再生 

第1楽章/アダージョ ― プレスト(I. Adagio - Presto) 
第2楽章/アンダンテ(II. Andante) 
第3楽章/メヌエット:アレグレット(III. Menuetto : Allegretto) 
第4楽章/フィナーレ:ヴィヴァーチェ(IV. Finale : Vivace) 
(2018.12.24〜2019.1.5)

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◇背景画像提供:自然いっぱいの素材集
◇編 曲:H. ウルリヒ  ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma