フランクール/アルトワ伯の婚礼の祝宴のためのサンフォニー (Francœur : Symphonies pour le festin royal du Comte d'Artois) |
ここ数年折を見てはこの曲の楽譜を探していました。若い頃に聴き、10年くらい前にCDを買って、楽譜があったらやってみるのになぁと思っていました。 去年の夏から、通勤途中(10分弱)の車の中で、ほとんどそのCDばかり聴いています。VIとWIVIを使って曲をすることにほとほと嫌気がさしていたので、ほかの作曲家の曲はまったく手につかず、フランクールの曲の楽譜さえ手に入ったら、何曲かしてみるかも知れないのにと思ったのです。 その楽譜が、今月の初めについに見つかりました。検索していたところ、ときどきあるような図書館のライブラリーのようなページがヒットして、いくつかのリンクをクリックしても、楽譜本体は現れません。ただここにありますよ、というだけなのかと思いつつも、決心して、2行くらいの英語で、この楽譜が見たいとメールしました。そしたら、ものの数分で、いいよ、リンクを送るからダウンロードしてくださいとの返事がありました。こんなに簡単に手に入るものなんて、ちょっと信じられないような驚きでした。ただし、楽譜は手稿です。今までは、その曲をしたくても、手稿しかない場合は、あ、やめとこと、すぐにあきらめていました。手稿は見づらいうえに、楽器編成がよくわからないことが多いからです。 今回は、何年も探していた楽譜で、ほかにする曲が浮かばないとなると、手稿を使ってでもやってみるしかないわけです。うれしいと同時に、またあのひどい音を聴かなきゃならんのかと腰が引けました。 この曲集は、4つの組曲からなっており、全部がフランクールのオリジナルというわけではなくて、フランクールの曲は1/3程度のようです。ほかは、ラモーをはじめ、あまり聞いたことのない数人の作曲家の曲の引用です。これが市販の楽譜が手に入らない理由の1つかも知れません。編成は、それほど大きくなくて(これが私にはありがたいことです)、弦に金管と木管が少し、それにティンパニが入るくらいです。にもかかわらず、実に華やかな響きが、少なくともCDではします。私の持っているCDは、古い録音ながらパーヤール室内管弦楽団の演奏で、「空想の音楽会」というシリーズの中の2巻です。これには第4組曲の抜粋と第2組曲が入っています。残念ながら現在は廃盤のようです。1966年の録音で、ときどき音切れのようなものが入りながらも、実にいい演奏だと思います。 何十年も音楽を聴いて、人生の最後近く(かどうかは分かりませんけれども)になって、よりによってフランクールなのかという気はしながらも、とにかく1曲始めたので、興味がなくなるまでは、あと何曲かできるんじゃないでしょうか。 |