ドヴォルザーク/歌曲集「聖書の歌」作品99 (Antonín Dvořák : Biblical Songs, Op.99) |
1892年の9月から1895年の4月までのおよそ3年間を、ドヴォルザークはニューヨークのナショナル音楽院の院長として過ごします。この「アメリカ時代」には、「新世界」交響曲やチェロ協奏曲、「アメリカ」四重奏曲など、今日ドヴォルザークの看板的な有名曲が生み出されますが、その傍らで、「テ・デウム」、変ホ長調の弦楽五重奏曲、ヴァイオリン・ソナチネのような、目立たないながらも捨てがたい魅力を持った作品も書かれておりました。 10曲から成る歌曲集「聖書の歌」もそのような作品のひとつで、1894年の作でございます。チェコ語の旧約聖書の「詩篇」によるこの歌曲集は、グノーやチャイコフスキー、ハンス・フォン・ビューローといった知人たちの死や故郷の父親の発病の報に接したことを作曲の動機としているそうでございますが、ドヴォルザークにしては全体的に渋い曲調に彩られ、外面的効果を排した深い感情表現が見られます。その一方で、アメリカっぽい味わいが時折顔を出す点、いかにもこの時代の作品らしい面白味も感じられます。
「あそびの音楽館」では、このあまり有名とはいいがたい歌曲集をチェロとピアノという地味な編成で演奏しております。歌詞につきましては、藤井宏行様の御訳を使わせていただいております。どうもありがとうございますm(__)m |
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◇背景画像提供:「自然いっぱいの素材集」様 | |
◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma |