ドヴォルザーク/弦楽セレナーデ ホ長調 作品22
(Antonín Dvořák : Serenata in E major, Op.22)

19世紀ロマン派の有名な弦楽のためのセレナーデといえば、チャイコフスキーの作品とドヴォルザークのこの曲の2作が挙げられます。これらの性格は相当に異なっており、チャイコフスキーの方が、どちらかといえばシリアスに傾きがちなのに対して、ドヴォルザークの作品は、それこそ溢れ出る楽想をそのままスラスラとスコアに定着したような、音楽する喜びに満ちております。

この作品が書かれたのは1875年、前年にウィーン政府による音楽家奨学金の審査にパスし、それまでの貧乏暮らしからともかくも解放された時期で、そうした生活面での幸福感も、作品に反映されていると思われます。
ドヴォルザークはこの曲を、わずか11日という短期間に一気呵成に書き上げたということですが、これは弦楽合奏へのオーケストレーションも含めて、ひとつの楽章に平均2日間という速筆でございます。ブラームスも驚嘆したといわれるメロディメーカーとしてのドヴォルザークの才能が、全曲にわたって満ち満ちた作品と申してよろしいでしょう。

「あそびの音楽館」では、この曲を2台のピアノのためのアレンジで演奏しております。弦楽本来のふくよかな音色はもちろん期待できませんが、万が一お楽しみいただければ幸甚に存じます。


 弦楽セレナーデ ホ長調 作品22・全曲連続再生 

 第1楽章:モデラート(I. Moderato) 
 第2楽章:テンポ・ディ・ヴァルス(II. Tempo di Valse) 
 第3楽章:スケルツォ/ヴィヴァーチェ(III. Scherzo : Vivace) 
 第4楽章:ラルゲット(IV. Larghetto) 
 第5楽章:フィナーレ/アレグロ・ヴィヴァーチェ(V. Finale : Allegro vivace) 

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◇背景画像提供:「自然いっぱいの素材集」
◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma