ヴァッセナール伯/コンチェルト・アルモニコ
(Unico Wilhelm van Wassenaer : Concerti Armonici)

従来はペルゴレージの作として知られていた「コンチェルト・アルモニコ」ですが、実はオランダの貴族でアマチュア作曲家でもあった、ヴィルヘルム・ファン・ヴァッセナール伯爵の手に成るものです。

6曲の「コンチェルト・アルモニコ」は1725年から1740年にかけて書かれたものですが、出版に際して作曲者名を明記しなかったため、初めはヴァイオリニストのカルロ・リチョッティ(1681〜1756)、19世紀になってからはペルゴレージの作曲したものと思われていました。
ところが、1979年になって、ヴァッセナールの生地であるトヴィッケル城で「コンチェルト・アルモニコ」全6曲の自筆譜が発見され、作曲からほとんど250年も経ってから、ようやく真の作曲者が特定されたのでした。
とはいえ、現代でもクラウディオ・シモーネのように、ヴァッセナールの作曲とは認めず、依然として「ペルゴレージ作曲」でCDを出している演奏家もいるようですが。

ヴァッセナール伯が作曲者名を公表しなかったのは、作曲家としての才能に自信がなかったからではないかとも考えられていますが、曲はアマチュアの域を完全に脱していて、バロック音楽としてたいへん魅力ある作品になっています。


◇コンチェルト・アルモニコ 第1番 ト長調◇
第1楽章:グラーヴェ ― 第2楽章:アレグロ (I. Grave - II. Allegro) 
第3楽章:グラーヴェ・エ・スタッカート (III. Grave e staccato) 
第4楽章:アレグロ (IV. Allegro) 
コンチェルト・アルモニコ 第1番ト長調・全曲連続再生 

◇コンチェルト・アルモニコ 第2番 変ロ長調◇ 
第1楽章:ラルゴ・ソステヌート ― 第2楽章:ダ・カペラ・プレスト
       (I. Largo sostenuto - II. Da Capella Presto)
第3楽章:ラルゴ・アフェットゥオーソ(III. Largo affettuoso) 
第4楽章:アレグロ・モデラート・エ・スタッカート(IV. Allegro moderato e staccato) 
コンチェルト・アルモニコ 第2番変ロ長調・全曲連続再生 

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◇背景画像提供:「自然いっぱいの素材集」
◇MIDIデータ作成・録 音:jimma