リリー・ブーランジェ/歌曲集「空の広がり」
(Lili Boulanger : Clairières dans le ciel)

24歳の若さで世を去ったために音楽史上で大きな地歩を占めることはできなかったリリー・ブーランジェですが、この歌曲集は大きな可能性を秘めた彼女の才能の充溢した傑作と申せましょう。
楽譜の末尾に「1914年、ローマ〜ニース」と記されておりますが、リリーは1913年のローマ大賞受賞者としてローマに滞在しており、歌曲集はイタリアの地で折々に作曲されたものと思われます。リリー21歳の年でございます。
フランシス・ジャムの詩に作曲されたこの歌曲集は全13曲で構成されておりますが、その1曲1曲が繊細な美に彩られた珠玉のような佳品でございまして、楽譜を眺めるたびにこの人の早世が心から惜しまれます。

当音楽館では、「空の広がり」全曲を、ヴァイオリン独奏とピアノという編成でやってみたいと思います。
原曲の声楽部分には朗々と歌う部分があまりなく、むしろ語りに近いような書法が用いられておりますので、実のところ器楽で演奏するにはふさわしくございません。そのため、声楽部分にはある程度手を加えておりますことをお断りしておきます。
なお、全曲は13曲ですが、第1曲と第2曲は続けて演奏されるように指定されておりますので、ここでもそれに従いまして、最初の2曲は連続演奏となっております。

私はブーランジェの曲をこれまで1曲も聴いたことがなく、あくまで楽譜から受けるイメージだけで音にしておりますので、ひょっとするととんでもない的外れな演奏になっているのではないかという危惧がございますが、その辺はなにとぞご容赦願いますm(__)m

歌詞につきましては、藤井宏行様の御訳を使わせていただいております。どうもありがとうございますm(__)m
また、この歌曲集の詳細につきましては、「梅丘歌曲会館・詩と音楽」に詳しい解説が掲載されております。こちらもぜひご覧になってくださいm(__)m


 歌曲集「空の広がり」全曲連続再生 

 第1曲:彼女は野原を谷間へと降りていった
  第2曲:彼女はおそろしく快活だ
 
  (1. Elle ètait descendue au bas da la prairie - 2. Elle est gravement gaie)
歌 詞
 第3曲:時々ぼくは悲しくなる (3. Parfois,je suis triste)  歌 詞
 第4曲:ひとりの詩人がこう言った (4. Une poète disaite...)  歌 詞
 第5曲:ぼくのベッドの裾のところに (5. Au pied de mon lit)  歌 詞
 第6曲:もしこのすべてがただのくだらない夢で 
  (6. Si tout ceci n'est qu'un pauvre rêve) 
歌 詞
 第7曲:ぼくらは互いに深く愛し合おう(7. Nous nous aimerons tant)  歌 詞
 第8曲:あなたはぼくを見た、あなたの魂すべてで 
  (8. Vous m'avez regardé avec toute votre âme)
歌 詞
 第9曲:去年咲いていたリラの花は(9. Les lilas qui avaient fleuri)   歌 詞
 第10曲:二本のおだまきの花が(10. Deux ancolies)   歌 詞
 第11曲:ぼくが苦しんできたことは (11. Par ce que j'ai souffert)   歌 詞
 第12曲:ぼくは彼女のものだったメダルを持っている 
  (12. Je garde une médaille d'elle)
歌 詞
 第13曲:明日でちょうど1年になる (13. Demain fera un an)   歌 詞

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◇背景画像提供:フリー写真素材Canary様
◇編曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma