ボロディン/弦楽四重奏曲第2番 ニ長調 (A. Borodin : String Quartet No.2 in D major) |
19世紀ロシアの作曲家のうち、室内楽の分野で大きな業績を残した人は、おそらくボロディンとチャイコフスキーの二人だけと申してよろしいかと存じます。とりわけ、弦楽四重奏曲というジャンルに限れば、ボロディンの残した2曲、中でも第2番ニ長調は、チャイコフスキーの3曲を抑えてこの時代のロシア弦楽四重奏曲の筆頭の位置を占めております。
ハイドン以来、多くの弦楽四重奏曲が作られてまいりましたが、ベートーヴェンの16曲(プラス「大フーガ」)が現れると、それらは後進の作曲家たちにとって超え難い壁として意識されるようになりました。同時代に生きたシューベルトの作品は別として、ベートーヴェン以後の19世紀の大作曲家のうち、重要な弦楽四重奏曲を残した人はそう多くありません。
ボロディンは若い頃には比較的多くの室内楽曲を書いておりますが、バラキレフのグループに参加した30歳以降はこの分野から遠ざかっておりました。理由のひとつとして、グループの目的が「ロシアに根ざしたロシア人のための音楽」を生み出すことにあり、オペラやオーケストラ曲、歌曲のようなジャンルが重視されていたため、ボロディンも交響曲や歌曲に力を傾注したことが考えられます。
ボロディンは自嘲気味に自らを「日曜日の作曲家」と称したように、30歳代でサンクト・ペテルブルク大学の教授に就任してからは、非常な多忙の中に身を置いておりました。
全曲は4つの楽章で構成されておりますが、形式の面から見ますと、すべての楽章がソナタ形式またはそれに準じる形で書かれている点に大きな特徴がございます。
「あそびの音楽館」では、この優れた作品を、ピアノ連弾の形に編曲して掲載させていただきます。 |
弦楽四重奏曲第2番ニ長調・全曲連続再生 | |
第1楽章:アレグロ・モデラート (I. Allegro moderato) | |
第2楽章:スケルツォ/アレグロ (II. Scherzo : Allegro) | |
第3楽章:夜想曲/アンダンテ (III. Notturno : Andante) | |
第4楽章:フィナーレ/アンダンテ ― ヴィヴァーチェ (IV. Finale : Andante - Vivace) | |
◇あそびのピアノ連弾に戻ります◇ | |
◇編曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma |