ボロディン/弦楽四重奏曲第1番 イ長調 (A. Borodin : String Quartet No.1 in A major) |
学生時代に未完成品も含めてある程度の数の室内楽作品を書いていたボロディンは、1862年にバラキレフのグループに参加すると、室内楽からは離れて交響曲、歌曲、オペラなどに創作の重点を移します。 グループの指導者だったバラキレフは協奏曲や室内楽などは排斥すべき因習的ジャンルと考えており、その考えがグループ内で支持されていたこともあり、1860年代にこれらの曲種を試みる同人はおりませんでした。 しかし、グループの中でボロディンは若い頃から西欧の古典音楽に親近感をもっており、バラキレフが音楽活動から離脱した1874年から翌年にかけて、弦楽四重奏曲の作曲に取り組みます。ボロディンのこの行動は、グループの中心人物であったスターソフやムソルグスキーから強い非難を浴びますが、ボロディンはこのような抗議に屈せず、作曲を続けます。
ところでこの時期、40歳を過ぎたボロディンは大学教授として研究・教育で多忙を極め、さらに第2交響曲や「イーゴリ公」も並行して作曲を進めており、弦楽四重奏曲に専念することはできませんでした。
ボロディンは2曲の弦楽四重奏曲を残しておりますが、一般によく知られておりますのは、いうまでもなく「夜想曲」を含む第2番でございます。最大の理由は、第2番が全曲にわたってのびやかで魅力的なメロディに彩られている点でしょう。
全曲は4つの楽章から成っておりますが、ボロディンの他の交響曲や第2弦楽四重奏曲とは異なり、スケルツォが第3楽章に置かれた唯一の作品となっております。また、両端楽章いずれも緩やかな序奏で始まるのも他に例がございません。
「あそびの音楽館」では、この意欲的な作品を、ピアノ連弾の形に編曲して掲載させていただきます。ピアノで演奏しておりますため、前述したような音色面の面白味はございませんが、その点はご了承願います。 |
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◇編曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma |