ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58
(Beethoven : Piano Concerto No.4 in G major, Op.58)

ベートーヴェンには5曲の完成されたピアノ協奏曲がございます。そのうち第4・第5の2曲は1806年から1810年にかけて、ベートーヴェンの「傑作の森」の時期に書かれており、古今のピアノ協奏曲の中でも抜群の傑作となっております。
第5番が「皇帝」というニックネームをもつことできわめて有名なのに対し、第4番は知名度的にそれよりは若干劣るかもしれませんが、作品としては甲乙つけ難いほどに優れております。豪壮な第5番に対して、細やかで内省的な面ももつ第4番は、聴くほどに魅力を増す滋味のようなものを備えていると感じられます。
1808年の公開初演時には、第5・第6交響曲、「合唱幻想曲」も同時に初演され、歴史的にみると非常に豪華なプログラムでした。このときベートーヴェンは聴覚に障害を抱えていたにもかかわらずピアノを担当しており、これが協奏曲の初演でピアニストとしての最後の舞台となりました。

全曲は3つの楽章で構成されておりますが、冒頭からピアノ独奏が現れたり、第2楽章がほぼピアノと弦楽合奏との交互の対話で成り立っていたり、第2楽章が休みなく第3楽章に続いたりと、この時期のベートーヴェンらしい斬新な発想に溢れております。

ここで扱っておりますスコアは、ルートハルト(Adolf Ruthardt;1849〜1934)という人の手に成る2台ピアノ版に拠っております。
お楽しみいただければ幸甚です。


ピアノ協奏曲第4番 ト長調 作品58・全曲連続再生 

第1楽章/アレグロ・モデラート(I. Allegro moderato) 
第2楽章/アンダンテ・コン・モート〜第3楽章/ロンド:ヴィヴァーチェ 
    (II. Andante con moto - III. Rondo ; Vivace)

◇「あそびのピアノ連弾」に戻ります◇◇
◇編曲:A.ルートハルト ◇MIDIデータ作成:Jun-T ◇録音:jimma