ベートーヴェン/交響曲第5番 ハ短調 作品67 (Beethoven : Symphony No.5 in C minor, Op.67) |
18世紀後半から現代に至るおよそ250年間に書かれたあらゆる交響曲のうち、この曲ほど有名なものはないでしょう。交響曲に限らず、第1楽章冒頭だけについて申せば、これはもうクラシック音楽の代名詞にほかなりません。少なくとも一定水準以上の文明をもった地域に住みながらこの曲を知らないという人は、ほとんどいないのではないでしょうか。 |
第5交響曲は、1804年の第3交響曲「英雄」の作曲中に既に着想され、「英雄」完成直後からスケッチも始められていたようでございますが、本格的な取り組みは1807年から翌年にかけて行われ、1808年の12月に第6交響曲「田園」などとともに公開初演されました。この時の演奏会はベートーヴェンにとっては空前の大失敗で、パトロンたちの年金支給の申し出による引き止めがなければ、ベートーヴェンはウィーンを撤退していたところでした。 |
とはいえ、この曲の真価は初演の失敗を直ちに乗り越え、まもなくベートーヴェンの交響曲の代表作としての評価を勝ち得たのでございました。
1804年の英雄交響曲を皮切りとする、およそ6年にわたる「傑作の森」の作品群のひとつの頂点となった第5交響曲について、あらためて語ることはございません。 |
(2015.10.12〜10.28) |
交響曲第5番ハ短調 作品67・全曲連続再生 | |
第1楽章/アレグロ・コン・ブリオ(I. Allegro con brio) | |
第2楽章/アンダンテ・コン・モート(II. Andante con moto) | |
第3楽章/アレグロ ― 第4楽章/アレグロ(III. Allegro - IV. Allegro) | |
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◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma |