ベートーヴェン/交響曲第1番 ハ長調 作品21 (Beethoven : Symphony No.1 in C major, Op.21) |
ベートーヴェンが最初の交響曲を書き上げたのは1800年、作曲者30歳の年で、これは交響曲作家としては年齢的にそれほど早い方とは申せません。 |
ピアニストとしてデビューしながらも、偉大な作曲家になるという野心を抱いていたベートーヴェンにとって、交響曲とオペラでの成功はおそらく最大の目標だったと思われます。 ピアノ曲やピアノを含む室内楽、ピアノ協奏曲などで腕を磨き、30歳を目前にしてようやく発表した第1交響曲は、おそらくベートーヴェンにとっては満を持した自信作であったろうと推察されます。 当時、ウィーンには世界最大の交響曲作家としてハイドンが君臨しておりました。ベートーヴェンの第1交響曲もその影響を受けていたことは明らかでございます。 |
しかしながら、そこはベートーヴェン、ハイドンの範疇にとどまることを潔しとせず、いろいろな新機軸を打ち出しております。意表をつく冒頭の和音、第2楽章のティンパニの用法、メヌエットとは名ばかりの奔放な第3楽章。初演当時「粗野にされたハイドン」と批評されたそうでございますが、この曲には古典的なスタイルからはみ出そうとするエネルギッシュな野心が感じられます。 ベートーヴェンの場合、第3以降の交響曲があまりにも神がかっておりますため、とりわけ初期の2つの交響曲は目立たない存在となっておりますが、ハイドン、モーツァルトに代表される古典派の枠内で書かれた交響曲としては、これらは充分に独自性をもった作品と申せましょう。
「あそびの音楽館」では、この曲を2台ピアノ用にJun-Tが編曲したものを公開することにいたしました。 |
(2015.8.8〜8.19) |
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◇編 曲・MIDIデータ作成:Jun-T ◇録 音:jimma |