hiro's M bar
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束の間は貴方に
髪をとかし涙を拭き ルージュはさりげなく引くの
貴方との最後の夜になるの たぶん だから美しく飾るの
貴方の仕草の一つ一つ 白々嘘になるわ
だから灯りは伏せたまま 消え去る時間だけを惜しんで
あの日 いつか別れを陰らせた貴方の
胸をたたき 胸をたたき
涙した私を覚えていますか
あれは遠い憂いなのでしょうか
ほんの一時 貴方を愛して
とどかぬ夢を追いかけた私
深く目を閉じて言葉を待った
戻るはずない貴方の・・・
部屋の鍵は郵便受け 手紙を添えておくの
すり抜けてゆくソファーの上に 横たわる貴方の寝息
冷たい階段 降りる靴音 夜を木霊するわ
振り向けば独り ナイトライト 窓に映り見送るだけ
今は夜明け間近の街の街灯に
想い出たちが踊っているわ
そっと拭き取るルージュの色に
追憶の灯り静かに落していく
明日 逢えるはずのない二人のため
贈る『さよなら』の言葉は不自然
別れの場面も清しくみせてよ
託されていた 束の間・・・
ほんの一時 貴方を愛して
とどかぬ夢を追いかけた私
切り取る場面は愛しさだけが
ただ 束の間は貴方に・・・