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いつかの夏空

 

 

 あの日 君が言った言葉も聞かずに
 子供じみた言い訳 困らせていたね
 二度と逢えぬ あの日 あの時 あの時間が
 ただ今はたまらなく眩しい

 愛しい貴女は今は薄紅に染まり
 幸せの中で微笑んでいるだろうか
 今はもう届かない過ぎ去りし日を
 映していた いつかの夏空

 明日をつかめると信じて夢を追いかけた
 大切な何かをまた一つ無くして

 

 傍らにはいつも同じ笑顔を
 閉じ込めた旧いアルバムの中
 愛の意味も 恐れも 矛盾も 光の陰も
 知らずにいたあの日の少年

 夢中で駆け抜けたあの頃 曇りも許せずに
 何も判らぬまま今も探して

 夏空 風が誘う
 今にも 零れそうな青
 あの日呑み込んだ涙が胸の奥に支えたまま
 次の扉を開ける事さえ出来ず 埋れていくんだ

 
 初恋は遠く夏空に消えた
 千切れ雲 何処か自分に似ている
 もう一度 置き忘れたあの場所で
 その夢の続きを見たくて

 その貴女は 深きあの青に似て
 その恋は いつかの夏空


 

anyhoo143@gmail.com