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 ありがとう よろしくね

 

 

 貴方の添える手が いつまでも温かいから
 ひび割れた指に降りる霜さえ 辛くはないはず

 こうして傍にいて降り積もる時に染められ
 真白な髪の一つ一つが愛しいものに想えてくる

 背中を向けて眠る夜には
 何故ここにいるのか涙を数え

 嬉しいほどにまた零れてく
 涙の虫も呆れて消えた

 泣き、笑い過ごした日々がいつか
 代え得ない道程になる

 これからもよろしくね
 「ありがとう」の言葉はまだしまっておくわ

 

 何度も振り返り懐かしい場面を追えば
 手を引き引かれ いつか来た道 瞼 閉じれば一瞬

 いつしか追い越した重ねた齢の数も
 書きなぐるように生きる背中もどこか母に似てきた

 一つ積んではまた崩れてく
 苦労も 何も無いよりはまし

 昔話と笑いましょうか
 あと何年 あと千年続けばいいね

 泣き、笑い過ごせる日々がどうか
 命を紡ぎ育てますように

 「これからもよろしくね」って言いながら
 また背中を向けているわ

 

 どうぞ かまわずに想いのままに
 選んだ「時」はいつも意地悪だから

 ありがとう よろしくね
 これからも泣き笑い続けていきましょう

 

anyhoo143@gmail.com